増えるテレワークと体の悲鳴
近年、テレワークが一般化し、長時間同じ姿勢でパソコンに向かう時間が大幅に増えました。便利さと効率性をもたらした一方で、私たちの体は静止した姿勢による新たな健康課題に直面しています。「デスクワーク疲れ」と呼ばれるこの症状は、肩こり、腰痛、首の痛み、目の疲れなど様々な形で現れます。
当店の施術でお会いするお客様からも、「テレワーク開始後、肩こりが酷くなった」「腰痛がなかなか改善しない」というお悩みをよく耳にします。
デスクワークが引き起こす体のゆがみ
パソコン作業と背骨のねじれ
長時間のデスクワークでは、無意識のうちに前かがみの姿勢になったり、猫背になったりします。この姿勢が続くと、背骨は本来のS字カーブを失い、不自然なねじれを起こします。特に頸椎(首の骨)と腰椎に負担がかかりやすくなります。
ねじれによる神経圧迫
背骨のねじれは、そこを通る神経を圧迫します。これにより、以下のような症状が現れることがあります
- 首や肩のこりと痛み
- 腰痛
- 手足のしびれやだるさ
- 頭痛
- 集中力の低下
- 疲労感が抜けない
- 姿勢の悪化
特に注意したい「スマホ首」と「マウス肩」
テレワークでは、スマホを見下ろす姿勢(スマホ首)やマウス操作による偏った肩の使い方(マウス肩)も問題となります。スマホ首は頭部(約5kg)の重みが首に直接かかるため、首の骨や筋肉に大きな負担をかけます。また、マウス操作では利き手側の肩が慢性的に緊張し、左右のバランスが崩れることがあります。
操体法によるデスクワーク疲れの改善
操体法とは
操体法は、自然な姿勢や動きを取り戻すことで身体のバランスを整える手法です。筋肉の緊張を緩め、関節の可動域を広げ、体の自然治癒力を高めることを目指します。
操体法のアプローチ
当店の操体法では、デスクワークによる体のゆがみに対して以下のようなアプローチを行います
- 背骨のねじれの調整:特に頸椎と胸椎、腰椎のねじれを丁寧に調整します
- 筋肉の緊張緩和:猫背や前かがみの姿勢で緊張した背中や首の筋肉をほぐします
- 骨盤の位置調整:腰痛の原因となる骨盤のゆがみを整えます
- 呼吸の改善:浅い呼吸になりがちなデスクワーカーの呼吸を深く自然なものに戻します
操体法の効果
操体法による施術を受けると、以下のような効果が期待できます
- 肩こり・腰痛の緩和
- 姿勢の改善
- 血液やリンパの流れの促進
- 自律神経のバランス調整
- 疲労回復の促進
- 集中力の向上
- 睡眠の質の改善
自宅でできるセルフケア操体法
施術を受けるだけでなく、日常的なセルフケアも大切です。デスクワークの合間に以下の簡単な操体法を取り入れてみましょう。
1. 肩甲骨ほぐし(1分)
- 椅子に浅く腰掛け、背筋を伸ばします
- 両手を肩に置き、肘で小さな円を描くように回します
- 前回り10回、後ろ回り10回を目安に行います
- 肩甲骨周りの筋肉がほぐれるのを感じましょう
2. 首のストレッチ(2分)
- 椅子に座り、右手を左側の頭に軽く添えます
- 右手で頭を優しく右側に傾け、左首筋を伸ばします
- 15~30秒キープしたら元に戻し、左右入れ替えます
- 次に、顎を引いて首の後ろを伸ばします(15~30秒)
- 最後に、顎を上げて首の前面を伸ばします(15~30秒)
3. 背骨のねじり解消(1分)
- 椅子に座り、背筋を伸ばします
- 両手を胸の前でクロスさせ、両肩を抱くようにします
- 上半身をゆっくりと左右にねじります(各方向5回ずつ)
- 背骨の各部位がねじれるのを意識しましょう
4. 骨盤調整(1分)
- 椅子に浅く腰掛けます
- 両手を腰に当て、骨盤を前後に傾けるように動かします
- 前10回、後ろ10回を目安に行います
- 腰椎の動きを意識しましょう
デスクワーク環境の見直し
操体法と合わせて、作業環境の改善も大切です。
理想的な作業姿勢
- 背筋を自然に伸ばし、猫背にならない
- 画面は目線より少し下に設置する
- 肘は90度に曲げた状態でキーボードに手が届く高さに
- 足の裏全体が床につき、太ももと床が平行になる高さの椅子
- 定期的(30分に1回程度)に姿勢を変える
おすすめのアイテム
- 背もたれのカーブが背骨のS字カーブをサポートする椅子
- モニターアーム(画面の高さと角度を調整できる)
- フットレスト(足の位置を調整できる)
- クッション(腰椎をサポートする)
まとめ:定期的なメンテナンスの重要性
デスクワークによる体のゆがみは、一度きりの施術で完全に解消されるものではありません。日々の積み重ねで生じる体のゆがみは、定期的なメンテナンスが重要です。
当店の操体法では、あなたの体の状態を細かくチェックし、背骨のねじれを調整することで、デスクワークによる不調を根本から改善していきます。また、自宅でのセルフケア方法もお伝えしますので、日常生活の中でも体のケアを続けることができます。
テレワークが増え、体の不調を感じている方は、ぜひ一度当店の操体法をお試しください。体の声に耳を傾け、健やかなデスクワークライフを手に入れましょう。
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