
脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症は、加齢や様々な要因によって背骨の中の神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫される疾患です。神経の圧迫により、下肢の痛みやしびれ、歩行困難など日常生活に支障をきたす症状が現れます。適切なケアで症状の改善が期待できる一方、放置すると重症化するリスクもあります。
脊柱管とは? – 背骨の構造を理解しよう
背骨(脊椎)の基本構造
私たちの背骨は、**椎骨(ついこつ)**という骨が首から腰まで24個積み重なってできています。
- 頸椎(けいつい): 首の部分 – 7個
- 胸椎(きょうつい): 胸の部分 – 12個
- 腰椎(ようつい): 腰の部分 – 5個
これらの椎骨と椎骨の間には、**椎間板(ついかんばん)**というクッションがあり、衝撃を吸収しています。
脊柱管って何?どこにある?
脊柱管(せきちゅうかん)とは、椎骨の中心にある空洞のトンネルのことです。
椎骨を縦に積み重ねると、それぞれの骨の中央にある穴が連なって一本のトンネル状の空間ができます。このトンネルの中を、脳から続く脊髄(せきずい)という太い神経の束が通っています。
【イメージ図】
椎骨(骨)
↓
┌─────┐
│ ○ │ ← この穴が脊柱管
└─────┘
↓ (これが縦に連なる)
┌─────┐
│ ○ │ ← 神経が通るトンネル
└─────┘
腰椎では、脊髄から枝分かれした神経根(しんけいこん)という細い神経が、脊柱管を通って下肢へ向かいます。
脊柱管が狭くなるとどうなる?
加齢や様々な要因で脊柱管が狭くなると、中を通る神経が圧迫されます。これが脊柱管狭窄症です。
特に腰の部分(腰椎)で起きやすく、圧迫された神経が支配する下肢(お尻・太もも・ふくらはぎ・足)に痛みやしびれが現れます。
脊柱管狭窄症の原因 – なぜ起こるのか?
脊柱管狭窄症は、単一の原因ではなく、複数の要因が組み合わさって発症します。
主な原因
1. 加齢による椎間板の変性
年齢とともに椎間板の水分が減少し、薄く変形します。すると椎骨同士の間隔が狭まり、脊柱管も狭くなります。
2. 黄色靭帯(おうしょくじんたい)の肥厚
背骨の後ろ側にある黄色靭帯という靭帯が、加齢とともに厚く硬くなり、脊柱管を後ろから圧迫します。これは脊柱管狭窄症の最も多い原因の一つです。
3. 椎間関節の変形・骨棘(こつきょく)の形成
背骨の関節が変形し、余分な骨(骨棘)ができることで、脊柱管が狭くなります。
4. 椎間板ヘルニアの合併
椎間板が後ろに飛び出して(ヘルニア)、脊柱管をさらに狭めることがあります。特に中高年では、ヘルニアと狭窄症が同時に起きるケースも多いです。
5. すべり症(腰椎すべり症)
椎骨がずれて前後にずれることで、脊柱管が狭くなります。
6. 先天的要因
生まれつき脊柱管が狭い方は、加齢による変化が加わると、症状が出やすくなります。
どんな人に多い?リスク要因
脊柱管狭窄症は主に50代以降、特に60代〜70代に多く見られます。
なりやすいタイプ
- 60歳以上の方
- 長年、重労働(重いものを持つ、中腰作業)をしてきた方
- デスクワークで長時間座りっぱなしの方
- 猫背や反り腰など、姿勢の悪い方
- 運動不足で腹筋・背筋が弱い方
- 肥満気味で腰への負担が大きい方
- 若い頃に腰椎ヘルニアやぎっくり腰を繰り返した方
- スポーツで腰を酷使していた方
男女差: やや男性に多い傾向がありますが、女性も閉経後に骨粗しょう症と合併して発症するケースがあります。
脊柱管狭窄症の典型的な症状 – 「これ、私かも?」
脊柱管狭窄症には、他の腰痛疾患と区別できる特徴的な症状パターンがあります。
最も典型的な症状: 間欠性跛行(かんけつせいはこう)
間欠性跛行とは、「歩いているとだんだん足が痛く・しびれてきて、休むと回復する」という症状です。これが脊柱管狭窄症の最大の特徴です。
具体的にはこんな感じ
- 歩き始めは問題ない
- 5分、10分と歩くうちに、お尻〜太もも〜ふくらはぎにかけて痛み・しびれが強くなる
- 数分間、座ったり、しゃがんだり、前かがみで休むと症状が和らぐ
- また歩き出せるが、しばらくするとまた症状が出る
歩ける距離の目安
- 軽症: 数百メートル〜1km程度で症状が出る
- 中等度: 100〜200メートルで休憩が必要
- 重症: 50〜100メートルも歩けない
姿勢による症状の変化
楽になる姿勢
- 前かがみ(腰を丸める姿勢)
- 座る、しゃがむ
- 自転車に乗る(前傾姿勢になるため)
- カートや杖に寄りかかる
→ これらの姿勢では、脊柱管が広がり、神経の圧迫が和らぐためです。
辛くなる姿勢
- 背筋を伸ばして立つ
- 長時間立ちっぱなし
- 腰を反らす動作
→ これらの姿勢では、脊柱管が狭くなり、神経の圧迫が強まるためです。
下肢の痛み・しびれの特徴
痛み・しびれの広がり方
- お尻から太ももの裏側にかけて
- ふくらはぎ、すね
- 足の裏、足先
- 片足だけのこともあれば、両足のこともある
しびれの感じ方
- 「ビリビリする」「ジンジンする」
- 「正座の後のような感覚」
- 「足の裏に紙が貼りついているような違和感」
- 「足が重い、だるい」
痛みの感じ方
- 「突っ張る感じ」
- 「焼けるような痛み」
- 「締め付けられるような感じ」
腰痛は軽いことが多い
脊柱管狭窄症の場合、意外にも腰痛は軽いことが多く、下肢の症状が主体です。
「腰はそんなに痛くないのに、足がしびれて歩けない」という場合は、脊柱管狭窄症の可能性が高いです。
こんな「あるある」に当てはまりませんか?
- 「スーパーでカートを押しながらだと楽に歩けるのに、手ぶらだとすぐ辛くなる」
- 「自転車に乗ると楽なのに、歩くとすぐに足がしびれる」
- 「信号待ちで立ち止まると楽になり、また歩き出せる」
- 「下り坂や平坦な道は大丈夫だけど、上り坂がとにかく辛い」
- 「買い物に行っても、ベンチを探してしまう」
- 「朝、顔を洗う時に腰を曲げると楽で、立ち上がるとしびれが走る」
→ 3つ以上当てはまる方は、脊柱管狭窄症の可能性があります。
症状の進行パターン – 軽症から重症まで
脊柱管狭窄症は徐々に進行する疾患です。早めに気づいて対処することが重要です。
【軽症期】違和感・初期症状
こんな症状が出始めます
- 長時間歩くと腰が重だるい
- お尻や太ももに軽いしびれを感じる
- 朝起きた時に腰が固まっている感じ
- 立ち仕事の後に足がだるい
- 数百メートル〜1km程度歩くと症状が出る
日常生活への影響 まだ大きな支障はなく、「年のせい」「疲れのせい」と見過ごしがちです。
この段階でできること 整体や運動療法で姿勢を整え、筋力をつけることで進行を遅らせられる可能性があります。多くの方がこの段階で放置してしまいますが、早めのケアが将来を大きく左右します。
【中等度】歩行に支障が出る段階
典型的な症状
- 間欠性跛行: 100〜200メートル歩くと足がしびれて休憩が必要
- 前かがみにならないと歩けない
- 夜間に足がしびれて目が覚める
- 階段の上り下りが辛い
- しびれが常時出るようになる(歩かなくても)
日常生活への影響
- 買い物や散歩の距離が短くなる
- 外出を控えるようになり、活動量が減る
- 痛み止めを飲む頻度が増える
- 旅行や趣味を諦めるようになる
この段階での対応 医療機関での診断(MRI検査など)を受け、保存療法(薬・注射・理学療法・整体)を開始します。手術を避けながら症状をコントロールできるケースも多くあります。
【重症期】日常生活に深刻な影響
危険な症状
- 50〜100メートルも歩けない
- 常に足がしびれている(休んでも改善しない)
- 足に力が入らず、つまずく・転倒する
- 排尿・排便のコントロールが難しい(馬尾症候群の疑い)
- 足の感覚が鈍い、または麻痺している
- 下肢の筋力が著しく低下している
緊急性の高いサイン 排尿・排便障害が出た場合は、神経の重度な圧迫(馬尾症候群)の可能性があり、48時間以内に緊急手術が必要なケースもあります。すぐに整形外科を受診してください。
この段階での対応 手術(除圧術・固定術)が検討されます。神経の圧迫を取り除かないと、麻痺が永続化するリスクがあります。
放置した場合のリスク
脊柱管狭窄症を「年のせい」と放置すると、以下のようなリスクがあります。
進行のリスク
歩行能力の低下
- 歩ける距離がどんどん短くなる
- 外出や買い物が困難になる
- 活動量が減り、筋力がさらに低下する(悪循環)
転倒・骨折のリスク増加
- 足に力が入らず、つまずきやすくなる
- 転倒して骨折すると、寝たきりのリスクが高まる(特に高齢者)
生活の質(QOL)の著しい低下
- 趣味や旅行を諦める
- 家に閉じこもりがちになり、精神的にも落ち込む
- 社会的な孤立、認知機能の低下につながる可能性も
排泄障害のリスク
- 重症化すると、排尿・排便のコントロールが難しくなる
- 一度神経が重度に損傷すると、元に戻らない可能性がある
重症化のサイン – こんな症状が出たらすぐに病院へ
以下の症状が出た場合は、緊急性が高い可能性があります。すぐに整形外科を受診してください。
- 排尿・排便のコントロールができない
- 足に全く力が入らない、歩けない
- 安静にしていても激痛がある
- 足の感覚が完全に麻痺している
- 会陰部(股の間)の感覚がない
診断方法 – どうやって調べる?
脊柱管狭窄症の診断は、問診・身体診察・画像検査を組み合わせて行います。
1. 問診(医師による質問)
医師は、以下のようなことを詳しく聞きます。
- いつから症状が始まったか
- どんな時に症状が出るか(歩行時、立位時、安静時など)
- どれくらい歩くと症状が出るか(歩行可能距離)
- 休むと症状は改善するか
- 前かがみになると楽になるか
- しびれや痛みの範囲はどこか
- 排尿・排便に問題はないか
間欠性跛行と前かがみで楽になるという2つの症状があれば、脊柱管狭窄症の可能性が高いと判断されます。
2. 身体診察
- 歩き方のチェック
- 足の感覚、筋力のチェック
- 神経反射のチェック(膝や足首を叩いて反射を確認)
- 下肢挙上テスト(仰向けで足を上げ、神経の圧迫を調べる)
3. 画像検査
レントゲン検査
- 骨の変形、すべり症、骨棘の有無を確認
- 椎間板の高さ(椎間板が薄くなっているか)を確認
MRI検査(最も重要)
- 脊柱管の狭窄度合いを詳しく確認
- 神経の圧迫状態を可視化
- 黄色靭帯の肥厚、椎間板ヘルニアの有無も分かる
CT検査
- 骨の状態を立体的に把握
- MRIが撮れない方(ペースメーカー使用など)に有効
診断の流れ
- 問診・身体診察で「脊柱管狭窄症の疑い」
- MRI検査で「脊柱管の狭窄」を確認
- 症状と画像所見が一致すれば「脊柱管狭窄症」と診断
治療法 – 保存療法と手術、どちらを選ぶ?
脊柱管狭窄症の治療は、保存療法(手術しない治療)から始めるのが基本です。保存療法で改善しない場合や、重症の場合に手術が検討されます。
保存療法(手術しない治療)
1. 薬物療法
- 痛み止め(NSAIDs): 炎症と痛みを抑える
- 神経障害性疼痛治療薬(プレガバリンなど): 神経の痛みを和らげる
- 血流改善薬: 神経の血流を良くし、しびれを軽減
- 筋弛緩薬: 筋肉の緊張をほぐす
メリット: 手軽に始められる、副作用が少ない薬も多い
デメリット: 症状を和らげるだけで、根本的な治療ではない。長期服用で副作用(胃腸障害、肝臓・腎臓への負担)のリスクがある
2. 神経ブロック注射
神経の周りに麻酔薬や炎症を抑える薬を注射し、痛みを和らげます。
- 硬膜外ブロック: 脊柱管の外側に注射
- 神経根ブロック: 圧迫されている神経に直接注射
メリット: 即効性がある、薬より強い効果が期待できる
デメリット: 効果は一時的(数日〜数週間)、繰り返し打つ必要がある、感染や神経損傷のリスクがある
3. 理学療法・リハビリ
- ストレッチ: 腰・股関節の柔軟性を高める
- 筋力トレーニング: 腹筋・背筋を鍛え、背骨を支える力をつける
- 歩行訓練: 正しい歩き方を身につける
- 温熱療法: 血流を改善し、筋肉をほぐす
メリット: 副作用がない、根本的な体力・筋力の改善につながる
デメリット: 効果が出るまでに時間がかかる、継続が必要
4. 整体・マッサージ・鍼灸
骨格のバランスを整え、筋肉の緊張を和らげることで、症状を軽減します。
メリット: 薬を使わない、リラックス効果もある
デメリット: 保険適用外が多い(自費)、重症例では効果が限定的
保存療法が向いている人
- 軽症〜中等度で、まだある程度歩ける
- 手術のリスクを避けたい
- 日常生活に大きな支障はない
- 時間をかけて改善を目指したい
保存療法の限界 保存療法を3〜6ヶ月続けても改善しない場合は、手術を検討します。
手術療法
保存療法で改善しない場合や、重症の場合に行います。
主な手術方法
1. 除圧術(じょあつじゅつ)
- 神経を圧迫している骨や靭帯を削り取り、脊柱管を広げる手術
- 最も一般的な手術
2. 固定術
- 背骨がずれている(すべり症)場合、金属やネジで背骨を固定する手術
- 除圧術と併用されることが多い
手術のメリット
- 神経の圧迫を直接取り除ける
- 重症例でも症状改善が期待できる
- しびれや痛みが劇的に軽減するケースもある
手術のデメリット・リスク
- 入院・リハビリ期間が必要(数週間〜数ヶ月)
- 手術のリスク(感染、出血、神経損傷、麻酔の副作用)
- 手術しても症状が残る・再発するケースもある(約10〜30%)
- 隣接椎間障害(手術した部位の隣の椎間が悪くなる)のリスク
- 高齢者は全身麻酔のリスクが高い
手術の注意点 手術は「神経の圧迫を取り除く」ことが目的ですが、すでに傷ついた神経が完全に回復するとは限りません。長期間圧迫されていた神経は、圧迫を取り除いても元に戻らないことがあります。
手術が必要なケース
- 排尿・排便障害がある(緊急性が高い)
- 保存療法を3〜6ヶ月続けても改善しない
- 歩行が困難で日常生活に深刻な支障がある
- 足の筋力が著しく低下している
保存療法 vs 手術 – 比較表
| 項目 | 保存療法 | 手術 |
|---|---|---|
| 身体への負担 | 少ない | 大きい(入院・麻酔) |
| 効果の出方 | ゆっくり(数週間〜数ヶ月) | 比較的早い(数日〜数週間) |
| 効果の持続 | 継続的なケアが必要 | 長期的な改善が期待できる |
| リスク | ほぼない | 感染・出血・神経損傷など |
| 回復期間 | 短い | 長い(数週間〜数ヶ月) |
| 費用 | 比較的安い | 高い(保険適用でも数十万円) |
| 適応 | 軽症〜中等度 | 重症・保存療法無効例 |
いつ医療機関を受診すべきか?
症状の程度によって、適切な相談先が変わります。
すぐに整形外科へ(緊急性が高い)
- 排尿・排便のコントロールができない
- 足に全く力が入らない、歩けない
- 安静にしていても激痛がある
- 足の感覚が完全に麻痺している
- 会陰部(股の間)の感覚がない
→ MRI検査で神経の状態を確認し、緊急手術の必要性を判断してもらいましょう。
なるべく早く整形外科へ
- 100〜200メートルも歩けない
- 間欠性跛行がある(数分〜十数分で休憩が必要)
- 夜間に足のしびれで目が覚める
- 足に力が入りにくい、つまずきやすい
- 痛み止めを飲んでも効かない
→ MRI検査で狭窄の程度を確認し、保存療法または手術を検討します。
整形外科での診断後、整体院との併用がおすすめ
- 画像検査で「軽度〜中等度の狭窄」と診断された
- 痛み止めを飲んでいるが根本的に治したい
- 手術を勧められたが、できれば避けたい
- 病院のリハビリだけでは物足りない
→ 保存療法(整体・運動療法)で改善が期待できます。
整体院から始めてもOK(軽症)
- 長時間歩くと足がだるい、重い
- 前かがみになると楽になる
- まだ病院には行っていないが、不安がある
- 予防的にケアを始めたい
→ 整体で身体のバランスを整えながら、必要に応じて医療機関をご紹介します。
整体院でできるケアの範囲
整体院では、手術や薬に頼らず自然な方法で症状の軽減を目指します。ただし、整体は医療行為ではないため、診断や治療は行えません。
整体院で提供できるサポート
- 骨格バランスの調整: 背骨や骨盤の歪みを整え、神経への負担を軽減します
- 筋肉の緊張緩和: 固くなった筋肉をほぐし、血流を改善します
- 姿勢・動作の指導: 日常生活で痛みを誘発しにくい身体の使い方をお伝えします
- セルフケアの提案: 自宅でできるストレッチや体操をご案内します
整体が向いているケース
- 軽症〜中等度で、まだ歩行可能
- 病院の治療と並行してケアしたい
- 薬や注射に頼りたくない
- 根本的な姿勢・筋力を改善したい
整体では対応できないケース
- 排尿・排便障害がある → すぐに整形外科へ
- 安静時も激痛がある → 医療機関で精密検査を
- 足に全く力が入らない → 緊急性が高い可能性あり
当院では、必要に応じて医療機関への受診をお勧めしています。整体と医療、両方の良いところを活用することが最善です。
当院の施術方針・考え方
腰楽院オアシスでは、痛みの出ている部分だけでなく、身体全体のバランスを重視した施術を行います。
当院の3つの特徴
1. 操体法に基づいた優しい施術
強く揉んだり押したりせず、身体が気持ち良いと感じる方向に動かしながら調整します。もみ返しの心配がなく、高齢の方でも安心して受けていただけます。
「痛みのある動き」を無理に伸ばすのではなく、「楽な動き」を活かして身体を整える——それが操体法の考え方です。
2. 全身のバランスから根本改善
脊柱管狭窄症の痛みは腰だけの問題ではありません。足首や股関節、骨盤のバランスを整えることで、背骨への負担を減らし、神経の圧迫を和らげます。
「なぜその場所に負担がかかっているのか?」を探り、全身の連動を整えることで、再発しにくい身体づくりを目指します。
3. 日常生活に活かせる実践的な指導
施術効果を持続させるため、立ち方・歩き方・座り方など、日常動作の改善をアドバイスします。痛みと上手に付き合いながら、できることを少しずつ増やしていく、そんなサポートを大切にしています。
当院の考え方 「手術を避けたい」「薬に頼りたくない」という方の選択肢として、整体があります。ただし、整体は万能ではありません。重症の場合は医療機関での治療が最優先です。私たちは、あなたの症状に合わせて「今、何が必要か」を正直にお伝えします。
日常生活でできるセルフケア・予防法
整体に通いながら、ご自宅でもケアを続けることで、症状の改善が早まります。
避けるべき動作・姿勢
❌ 長時間の立ちっぱなし → 腰が反って神経を圧迫
❌ 重いものを持ち上げる → 背骨に強い負荷
❌ 背筋を伸ばしすぎる姿勢 → 脊柱管が狭くなりやすい
❌ 柔らかすぎるソファ → 骨盤が後傾して腰に負担
❌ ハイヒール → 腰が反って症状悪化
❌ 長時間の車の運転 → 腰への負担が大きい
おすすめの動作・姿勢
✅ 前かがみ気味の姿勢 → 脊柱管が広がり神経の圧迫が減る
✅ 杖やカートの使用 → 前傾姿勢を保ちやすく、歩行が楽に
✅ 自転車 → 前かがみ姿勢で脊柱管が開く(ただし転倒注意)
✅ 適度な休憩 → 歩き続けず、こまめに座って休む
✅ 腹筋・背筋の軽い運動 → 背骨を支える力をつける
✅ 正しい座り方 → 背もたれを使い、クッションで腰をサポート
自宅でできる簡単ストレッチ・運動
1. 膝抱えストレッチ(腰を丸める)
- 仰向けに寝て、両膝を抱える
- 腰を丸めて、ゆっくり10〜20秒キープ
- 脊柱管が広がり、神経の圧迫が和らぐ
2. 四つん這いで背中を丸める(猫のポーズ)
- 四つん這いになり、息を吐きながら背中を丸める
- 10秒キープして元に戻す
- 背骨の柔軟性を保つ
3. 壁に寄りかかってスクワット
- 壁に背中をつけ、膝を軽く曲げる(45度程度)
- 5〜10秒キープして戻す
- 太ももの筋力を鍛え、歩行を安定させる
4. お尻の筋肉を鍛える運動
- 仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げる
- 5秒キープして下ろす
- 腰を支える筋力をつける
注意: 痛みが強い時は無理をせず、安静にしてください。運動は無理のない範囲で行いましょう。
日常生活の工夫
歩き方の工夫
- 杖を使う(前かがみ姿勢を保ちやすい)
- ショッピングカートを利用する
- 歩幅を小さくして、ゆっくり歩く
- 信号待ちなどで、こまめに休憩する
家事の工夫
- 料理や洗濯物干しは、前かがみで行う
- 高い場所の作業は避ける
- 重いものは持たず、台車やカートを使う
寝具の工夫
- 硬めのマットレスを選ぶ
- 膝の下にクッションを入れて寝る(仰向けの場合)
- 横向きで寝る場合は、両膝の間にクッションを挟む
体重管理 肥満は腰への負担を増やします。適正体重を保つことが予防につながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 脊柱管狭窄症は完治しますか?
A. 「完治」は難しいですが、症状を大幅に軽減し、日常生活を快適に送ることは十分可能です。軽症〜中等度なら、保存療法(整体・運動療法・薬)で歩行距離が伸び、痛みが減るケースが多くあります。重症でも、手術で神経の圧迫を取り除けば改善が期待できます。
ただし、「加齢による背骨の変性」という根本原因を完全に元に戻すことはできません。症状をコントロールしながら、上手に付き合っていくことが大切です。
Q2. 放置していても大丈夫?
A. 軽症なら一時的に症状が落ち着くこともありますが、加齢とともに進行するケースが多いです。特に、排尿・排便障害が出た場合は緊急性が高いため、すぐに整形外科を受診してください。
放置すると、歩行困難、転倒・骨折、生活の質の低下につながります。早めにケアを始めることで、将来の生活の質が大きく変わります。
Q3. 杖は使った方がいい?
A. はい、効果的です。 杖やカートを使うと前かがみ姿勢を保ちやすく、脊柱管が広がって症状が和らぎます。「杖を使うのは恥ずかしい」と感じる方もいますが、歩行を楽にし、転倒を防ぐためにも積極的に使うことをおすすめします。
最近は、おしゃれなデザインの杖も増えていますので、気に入ったものを選んでみてください。
Q4. 手術は怖いのですが、本当に必要ですか?
A. 手術が必要なのは、以下のケースです。
- 排尿・排便障害がある
- 保存療法を3〜6ヶ月続けても改善しない
- 歩行がほとんどできない
- 足の筋力が著しく低下している
それ以外の軽症〜中等度なら、まず保存療法を試す価値があります。手術にはリスク(感染、神経損傷、再発など)もあるため、医師とよく相談し、セカンドオピニオンも検討しましょう。
重要: 排尿・排便障害がある場合は、緊急手術が必要なケースもあります。この場合は迷わず手術を受けてください。
Q5. 年齢制限はありますか?高齢でも施術を受けられますか?
A. 年齢制限はありません。 当院では80代、90代の方も多く来院されています。操体法は優しい施術なので、高齢の方でも安心して受けていただけます。ただし、持病がある場合は医師の許可を得てからご来院ください。
Q6. どれくらいの頻度で通えばいい?
A. 症状によりますが、初めは週1〜2回のペースで、症状が落ち着いてきたら月1〜2回のメンテナンスをおすすめします。まずは初回の検査で、あなたに合ったプランをご提案します。
Q7. 整体と病院、どちらに行けばいい?
A. 両方を併用するのがベストです。
- まず病院で診断を受ける: MRI検査で狭窄の程度を確認
- その後、整体でケア: 軽症〜中等度なら、整体で症状の軽減が期待できる
「病院で診断 → 整体でケア」という流れが理想的です。当院でも、必要に応じて医療機関への受診をお勧めしています。
Q8. 自転車に乗っても大丈夫?
A. はい、むしろおすすめです。 自転車は前かがみ姿勢になるため、脊柱管が広がり症状が和らぎます。ウォーキングより楽に移動できる方も多いです。
ただし、転倒のリスクがあるため、安全な場所で乗るようにしてください。三輪自転車や電動自転車も選択肢です。
Q9. 腰痛がないのに、脊柱管狭窄症と言われました。本当ですか?
A. はい、ありえます。 脊柱管狭窄症は、意外にも腰痛が軽いことが多く、下肢の症状(しびれ・痛み)が主体です。「腰はそんなに痛くないのに、足がしびれて歩けない」という場合は、脊柱管狭窄症の典型的なパターンです。
Q10. ヘルニアと脊柱管狭窄症の違いは?
A. どちらも神経を圧迫する疾患ですが、原因と症状が異なります。
| 項目 | 椎間板ヘルニア | 脊柱管狭窄症 |
|---|---|---|
| 好発年齢 | 20〜40代 | 60代以降 |
| 原因 | 椎間板の突出 | 加齢による脊柱管の狭窄 |
| 腰痛 | 強いことが多い | 軽いことが多い |
| 姿勢 | 前かがみで痛い | 前かがみで楽になる |
| 歩行 | 歩行可能なことが多い | 間欠性跛行が特徴的 |
ただし、中高年では両方を合併していることもあります。
患者様の声
70代・男性
「歩くたびに足がしびれて、100メートルも歩けなかったのに、施術を受けるようになってから少しずつ歩ける距離が伸び、今では30分の散歩も楽しめるようになりました」
65歳・女性
「前かがみにならないと痛くて歩けなかったのが、今では普通に歩けるようになりました。生活の質が格段に向上しました」
68歳・男性
「病院で手術を勧められましたが、できれば避けたいと思い、こちらの整体を試してみました。3ヶ月通ったところ、症状が落ち着き、手術をせずに済みました。感謝しています」
最後に
脊柱管狭窄症は、適切なケアで症状を改善し、日常生活を取り戻すことができます。当院では、一人ひとりの状態に合わせた施術プランで、痛みのない快適な生活をサポートします。
「手術は避けたい」「でも、このまま悪化するのも怖い」——そんな方こそ、ぜひ一度ご相談ください。整体でできること、できないことを正直にお伝えし、あなたに最適な道をご提案します。
早めのケアが、将来の生活の質を守ります。 症状が軽いうちに始めることで、進行を遅らせ、手術を避けられる可能性が高まります。
まずはお気軽にお越しください。あなたの症状に合わせた最適なケアプランをご提案いたします。
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